鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁を評価(レビュー)

The following two tabs change content below.

じゅんじ@元予備校講師

月に最大20万人が訪問する関西最大級の大学受験メディア「関関同立net」の管理人。 大阪梅田在住の20代。 職歴はみずほ証券→三井住友海上→予備校講師→サイト管理人 予備校講師として得た知識を当サイトで発信中。
受験生
本屋さんで、格好いい単語帳見つけたんだけど、これってどうなの?
予備校講師じゅんじ
黒くて分厚く、東大という字が目立つ単語帳「鉄壁」だね!

予備校講師をしている管理人のじゅんじ(@kansaijuken)です!

今回の記事では、
鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁
をレビューします!!

この単語帳は、普通の学校はおすすめしていないので、受験生にはあまり馴染みがないでしょう。
なので、受験生が本屋でこの表紙を見て格好よさに驚いているのをよく目にします。
この参考書の評価を予備校講師である私の目線から記事にしてみました!
早速、レビューしていきます!

目次

【おすすめ度】
★★★★★☆ 星5つ

【難易度】
★★★★★☆ 星5つ

 

どんな参考書?

泣くも子も黙る予備校!鉄緑会の英単語!

鉄緑会を知っていますか?
校舎がいくつもあるわけではないので、知らない人も多いかもしれません。
鉄緑会は簡単に説明すると、
「東大専門塾」です!
関西にも大阪校がありますが、そこは「東京大学or京都大学or国立医学部専門」ですね。
実際に、東大への合格率も半端ではありません。
東大にどうしてもいきたいならば、
ぜひ鉄緑会をおすすめします。
その、「東大専門塾」の英単語帳です。
この600ページにも及ぶ単語たちを覚えれば、東大で単語に困ることはありません。
そのくらい、自信をもって力をつけることができる単語帳です。

東大志望以外は使っちゃいけない!?

東大専門塾の英単語帳なんて自分には関係ないなと思っていませんか!?
一切そんなことはありません!
もしあなたが、国公立大学や難関私立大学を目指しているならば、ぜひ使うべき単語帳です!
このブログでは、同志社大学を目指している人は当てはまりますね!

単語レベルは実は標準!

この単語帳に記載されている英単語のレベルはさほど高くありません。
普通のシステム英単語や、ターゲット1900とあまり変わりはありません。
リンガメタリカや速読英単語上級編のほうが、よっぽど難しい英単語が載っています!

語源、イラストが記載されていて圧倒的に覚えやすい!

受験生が考える、単語帳にとって最も重要なのは、「覚えやすさ」ではないでしょうか。
その「覚えやすさ」が、この参考書には工夫されています。
1つ目は、語源があることです。
例えば、「viv/vit」には「生命」という意味があります。これを知っていれば、
vital=生命の
vitality=生命力
vivid=生き生きとした
revive=生き返らせる
revival=蘇生
が覚えやすくなると思いませんか?

2つ目は、イラストです。
イラストはこんな感じです。


めちゃくちゃわかりやすいです。
私も受験生の時に、英単語が覚えられないとイラストで覚えていました。
絵で覚えるのは、字で覚えるよりはるかに忘れにくいです。
このイラストがあるだけでも、この単語帳には買う価値ありです。

これさえすれば、他に単語帳はいらない?

一概には、この単語帳だけで大丈夫とは言い切れません。
東大がいけるんだからいけるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そんなことありません。
日本の受験問題は、東大の英語が一番難しいわけではないのです。
例えば、早慶を目指すのならば、もう少し語彙力があったほうが、より合格には近づくことでしょう。
早慶は単語力がとても重要なのです。
早慶を目指すのならば、リンガメタリカや速読英単語上級編もやっておきましょう!

英語の予備校講師も、受験時代は使っていました

私が大学受験期に使った英単語帳はまさしくこの「東京大学受験指導専門塾 鉄緑会 東大英単語 鉄壁 鉄緑会英語科編」です。
私は初め英単語を覚える際に特に意味なく英単語を眺め、日本語の意味を覚え書き出してはまた忘れまた覚えては忘れを繰り返していました。
その結果模試などの英語の長文を読んでも単語でつまずいてしまい思ったよりも点数伸びずにいました。
しかしこの鉄壁という英単語帳を友達に勧められ使ってから英語の勉強方法が変わりました。

初め私はこの英単語帳を辞書がわりとして用いていました。
この英単語帳は他の英単語帳と違い、でる頻度で分類されたり、動詞だけ形容詞だけで分けられているわけではなくSECTIONによってトピックが分けられています。

例えばSECTION3は構造・構成というパートに分かれており建築関係や基盤・土台といった英単語が集められています。
ここまでは他のどの単語帳とも変わらないのですがこの「鉄壁」のいいところは語源から考えるというところです。
ただ英単語を覚えることはとてもつまらないですしすぐ忘れてしまいます。
しかしこの辞書にはそれを克服するための方法が書かれています、例えばstructure(名詞:構造、構成、骨格)という名詞はstruct(組み立てる)→「組み立てられたもの」と考えれば覚えやすいですし、またconstruct(他動詞:〜を建設する、組み立てる)という動詞はcon-(共に)+struct(組み立てる)という語根に分解することができ「共に組み立てる」=「建設する」となります。
さらにreconstruct(他動詞:〜を再建する)という動詞はre-(再び)+construct(〜を建設する)と分解でき「再び+建設する」=「〜を再建する」となります。

このようにSECTIONにまとめて関連した単語を語根から推測しさらに派生をさせることで単語を覚えやすくしています。
他には、動詞をイメージするといったSECTIONでは先ほどと同様に同じ意味の単語を集め語根から推測するに加えてわかりやすいイメージ図を添えることでその動詞に対するイメージを根深いものにしています。

例えば「掴む、握る」と言った意味の動詞について触れると、grasp(他動詞:〜を掴む、握る;理解する)とgrab(他動詞:〜を掴む)とseize(〜を掴む、(感情などが)を襲う;押収する)では掴むという意味では同じですがイメージとしてgraspは「しっかりと掴むニュアンス」、grabは「パッと掴むニュアンス」、seizeは「震えながら掴むニュアンス」と言った風に意味が同じでもニュアンスの違いまで掴ませてくれるところは他の単語帳にはありません。

さらにこの参考書がいいところは、単語だけでなくその単語を使った例文を紹介し、関連した熟語を数多くのせているところです。

例えばcommand(名詞:命令、(言語を)自由に使う能力;他動詞:〜を見晴らす)という単語に対して
・He has a good command of French.(彼はフランス語が堪能だ。)
・The tower commands a panoramic view of Tokyo.(その塔からは東京の全景が見渡せる。)
と言ったように多義語に対してそれぞれの文章を紹介することで多義語のそれぞれの用途を詳しく解説しています。
特に接続詞、副詞、前置詞というSECTIONでは図の説明にそれぞれの単語のニュアンス同じような単語を紹介するとともに例文を複数乗せることで非常に覚えやすくなりました。

さらに良い点がもう一つあり、各SECTIONの終わりに三木先生が注目した英語のTopic、例えば接頭辞とアクセントの法則やスペルミスをなくすための方法などが書いてあるところです。
中でも私が注目したのは、単語を覚えるこつというもので例えば「単語を覚えるにはただ、ぼうーっと眺めているだけでは覚えられない!手を動かし書き、口に出して発音せよ!」や、「忘れてしまうことは仕方ない!10個忘れたことよりも3個覚えられたことを喜ぼう!」など精神論を語るところや、learn(学ぶ)とlean(寄りかかる)、sigh(ため息をつく)とsign(印)などうっかり混同しやすい単語ばかりを集めたコーナーなど単語を覚えるのに疲れた時出る、楽しんで読めるコーナーがあるのはとても良いですね。

SECTIONも豊富で政治やテクノロジー経済などに分かれており模試や入試などで当てはまる話題が出てきたときはここに乗っている単語が多く出ますし、例え知らない単語が出てきても周りから推測できるようになりました。
この本の著者三木先生は量よりも質を重視しているそうです。
今の受験生などは単語をたくさん覚える熱心な学生が多く入試に登場することが極めて稀なものまで覚えようとしているらしいですしかし、そう言った学生に多いのがconsiderateとconsiderableの違いの区別を問うても一向に要領を得ていないというものです。
この参考書の目的としては3000の単語を広く浅く覚えるよりも、500の単語を派生語や用法も含めて覚えようとすることにあります。そうすることで本当の意味で点数が伸びていくものです。

今回紹介したこの「鉄壁」は一度読むだけでもかなりの経験値が得られ、また飽きることなく読める非常に良い参考書なのです!

▼購入はこちらから▼

CD付きがおすすめですよ!